小濱先生 特別対談

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2023年6月14日
2023年4月(公社)国民健康保険中央会 ケアプランデータ連携システム稼働開始!

小濱道博氏×NPO法人タダカヨ様 特別対談記事 第一部(全三部)


対談:小濱道博氏×NPO法人タダカヨ(山本英也氏×次田芳尚氏)

【ぶっちゃけ対談』ほんとに使える?ケアプランデータ連携システムの行方

第一部【現場はほとんど様子見。その心とは…!】

1.ご挨拶のターン

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

今日のケアプランでデータが連携できるケアぽすの対談ということで小濱先生にお越しいただいております。

小濱先生
小濱先生

それちょっと逆じゃないですか?

全員
全員

ハハハハハ笑 いやいや

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

私は居宅の介護支援専門員をしております、山本と申します。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

私は同じく居宅のケアマネジャー、介護支援専門員をやっております、次田と申します。 よろしくお願いします。

小濱先生
小濱先生

よろしくお願いいたします。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

では早速、4月1日からケアプランデータ連携システム、国のシステムが始まりました。申し込みが始まり、4月14日に締切で4月20日からは本格稼働でインストールして実際に使えるという所なのですけれども

実際ですね、今日は17日! 17日って他の皆さんの動きってどうなるのかな。って凄く興味がありまして

実際にその動きというか、その人の動きというか、その辺の実際始まる前の話をですね、今日は小濱先生にお伺いしようかという風に思っています。

あと、ケアプランのデータのやり取りは既にできている「ケアぽす」の事についても、比較しながらお話しできればなと思っております。

小濱先生
小濱先生

はい、よろしくお願いいたします。

山本氏
山本氏、
次田氏
(タダカヨ)

よろしくお願いいたしまーす!

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

そうですね、今日は質問という形でもいいんですかね?

小濱先生
小濱先生

いいや、フリートークです笑

山本氏
山本氏、
次田氏
(タダカヨ)

フリートーク笑 フリートークですか笑

2.類似機能を有する無料のケアぽす

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

私、「タダカヨ※1」「タダスク※2」というので、去年の11月からケアぽすケアプランデータ連携システムのデモアカウントを借りて1、2回ですね、全国のケアマネジャーの方、介護サービスの方に講師をしています。

参加いただいた方には実際に操作していただくんですけれども、1時間の間にですね、できてしまうんです。

実際にインターネットのケアぽすにログインをして、そして私が用意したCSVをダウンロードして、で、ケアぽすにアップロードする、または介護保険証などpdfもメッセージを付けておくったり受けたり、本当1時間で出来るんですよ。

実際に参加して頂いた方のアンケートでも凄く好評でして、「こんなんで簡単にUPできるんだ!、これ実際の業務で使いたい!、しかし実際これを上司に伝えてもなかなかうんと言ってくれない!」と困っている現場の方がいらっしゃいます。

この辺、組織のTOPの方への説明というかうまくこう言ったらいいよというのがありましたら小濱先生に教えていただきたいです。

小濱先生
小濱先生

その前に「ケアぽすって何ぞや?」ってことだと思うんですよ、皆さん関心があるのは。

今回4月20日からスタートするデータ連携システム?あれは国保連合会のシステムを使って各管理ソフトなどが引き出した電子データとしての提供票をやり取りする場なんですよね?

で、この国保連合会のシステムを使うと年間で21,000円事業所番号別のお金がかかると。で、みなさんそこがネックだと。そういうことなんですよね。

で、ケアぽすは無料ですよというんですけど、ではこの【無料です】というのは国保連合会の21,000円がかからないんでしょうか?

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

はい。ケアぽすは無料ででき(使え)ますね。

小濱先生
小濱先生

すると、この厚労省のデータ連携システムと言われるものは使わずに同じ効果が出る、ということなんですね?

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

そうですねー。

小濱先生
小濱先生

多分そこが多くの方々が理解できない所だと思うんですよね。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

そのとおりですよね…

小濱先生
小濱先生

ケアぽすというのは「データをやり取りするための仕組み」

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

はい

小濱先生
小濱先生

ネット上でデータを置いて、それを相手に取っていただくという仕組みなんですよね。

ま、端的に言えば、DropboxとかOneDriveとかいろんなものありますけど、Googleドライブを例えば自分たちの事業所と他の事業所と共有して、その中でやり取りすることができますよという仕組みだということですよね。

とすると、居宅の給付管理のソフトと担当事業所の請求ソフトだったり、介護ソフトで(厚労省標準仕様の)提供票を作成できるのであれば、何も厚労省が用意した21,000円かかる仕組みを使わなくても同じようにデータ連携できて、入力作業はないということですね。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

はい。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

そうですね。

※1タダカヨ…NPO法人タダカヨ 詳細はこちら https://mmky310.info/
※2タダスク…NPO法人タダカヨ様の主催する福祉関係者向けの無料オンラインPCスクール 詳細はこちら https://mmky310.info/category/tadasc/

3.ピンとこない。その機能とお値段。

小濱先生
小濱先生

ぼくね、いろんな人と話しててもね、そこがピンと来ないんですよ。

山本氏
山本氏、
次田氏
(タダカヨ)

うーん。

小濱先生
小濱先生

はい。要はこのデータ連携システムというのは、入力作業からやりとりから全部を一括したもんだという思い込みがあるんですよね。

でもそうじゃなくて、国保連のケアプランデータ連携システムは単に、国保連合会の仕組みの中でデータやり取りできるものにお金かけるわけであって、提供票のデータを作るのは各介護事業所が持っているソフトの役割なんだよということですよね。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

はい。

小濱先生
小濱先生

ということは、国が用意したデータ連携システムにお金かける必要は全くなくて、ケアぽすを使えば全部がオーライだし、で今、給付管理の部分でもやはりデータ連携システム、相手の担当事業所さんが入っていないとできない。

で、相手の担当事業所が21,000円かけたくないと言うと、従来通りの紙になるわけですよね。

でも請求はそれぞれの事業所が別の管理ソフト使っているわけだから、それで電子データができるのであれば、ケアぽすを共有することで何もお金かからず出来てしまうから、国保連の仕組みを使うよりは進めやすいということですよね。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

なかなかそういうケアプランデータ連携システムの理解はまだまだ全然まだ足りていない、周知されていないというのが現状ですよね。

そういう周知っていうのは…。

小濱先生
小濱先生

いや、だから厚生労働省が全国回ったりネットで公開したりかなりやってましたけど、やはり皆さんの捉え方は、「1事業所毎に21,000円かかる」と。

要は事業所番号ごとにということは、10の事業所を持っていたら、拠点が多かったり併設が多かったら210,000円かかると、ちょっとなという。

山本氏
山本氏、
次田氏
(タダカヨ)

そう、そうなんですよねー!!!!!

小濱先生
小濱先生

ちょっとなという部分が出てきているわけですけれど、「ケアぽす」はとにかくそれがかからないという、これ盲点ですよね。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

ふふふふ。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

それほんとにおっしゃる通りなんですよね。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

そうですよね。紙にならなくて済むとか、いろんな費用対効果の数字を出していると思うんですよね。

国保連中央会が。まぁその辺が実現してくれば21,000円なんて安いよっていう風には理解はしたと思うんですけど、もう一つ、システム的な違いがあると思うんですよね。

国保中央会のやっているソフトの場合は、まず【インストールしないといけない】、そして【Windowsじゃなきゃいけない】、さらに【1台だけしかできない】。1台だけというのは電子証明書というものを発行して貰わないといけない。購入してるんですね。それをインストールするわけですね。だから特定のパソコンでないとできないということになるんです。で、最近だと例えばブラウザ系の介護ソフトを使っていて、かっこよく「僕はMac使ってます!」っていう人には使えないんです。あれね。その辺の違いもありますよねー。

小濱先生、山本氏
小濱先生、
山本氏
(タダカヨ)

うん。

4.この仕組みにおける電子証明書の抱える現場の問題

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

だからユーザーに優しくないと。電子証明書を取るというのは意味が分かるんですよね。IDとパスワードだけでは弱いからもう一つの証明ということですね。しかし、今ですと大体使っている2段階認証、いろんなやり方があるので、ちょっとこれって10年以上前の仕組みかなーなんて思ってしまったりと。

小濱先生
小濱先生

いやー これ、介護保険ができた時の仕組みじゃない?

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

同じ事業所番号の法人があるんですけど、居宅とデイサービスと訪問介護と総合事業、4つの事業所が1台しか使えない。

それで拠点も離れているよーとなると、そこにいってそのパソコンを操作しないといけないというのがどうなんだろうと思って…

小濱先生
小濱先生

いや、だからもうガチガチなので、国の仕組みというのは。

それは今回に限ったことではないし、もう一つ懸念されるのはトラブルなんですよね。システムの。

5.現場の抱えるLIFEのトラウマ、そしてコスト削減の頼みの綱、補助金

小濱先生
小濱先生

やはりあのLIFEが2年前に入って、来年からは居宅介護支援もLIFEには入るわけですけども、2年経ってもまだトラブルが続いて、で、まだ問題が多いし2年前、丁度4月ですから2年前ですね。

2年前の4月にスタートした時に、こういう言葉がね、出たんですよ。「LIFE鬱」って。あまりにトラブルが多すぎて半年くらい鬱状態になっちゃったと。それほど酷かった。

やはりそのイメージが強くて、本当に4月20日からデータ連携システムを始まるんだけど、どれくらいの方がね、これ、取り組むかという質問よく受けるんですけど、 今私、全国回ってみてもほとんど様子見ですよね。はい。

山本氏
山本氏、
次田氏
(タダカヨ)

なるほど。

小濱先生
小濱先生

ちょっとね、と。使ってもいいんだけど、周りがね、ちゃんと使い始めてからだよといったような所が多いんですよ。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

確かにね。自分の居宅が登録したとしてもサービス事業所の方が登録しなければ何もできないので。

小濱先生
小濱先生

そう。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

なにも、ほんとお金が無駄になってしまうという。ホント試しに最初に無料にしてくれれば使ってみようかという風になるんですけど、いきなりライセンス料1年間21,000円というのがあるので。

小濱先生
小濱先生

それにね、厚生労働省は、21,000円についてはICT補助金が使えるから3/4は補助金で出るよということ言ってるんですけど、悪名高いICT補助金なので、要はアレ、仕組みあるんだけど年間予算決まっていてさらに申込が年間ひと月だけで、ほぼ抽選なので宝くじ的なもんなんですよ。あれが使えるって。

この前に埼玉県の事業所さんでICT補助金使おうことでベンダーさんに話したら、「いやー埼玉県はもう2、3件しかないんだよ~!」って。県でですよ。誰も使えないじゃないですかって。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

あ、当選枠がってことですねー。なるほど。

小濱先生
小濱先生

そう。だからもう一つ別にIT補助金ってありますよね。もっと金額が低いですけども。あっちの方に切り替えたらって事例はあるんですけれども。てことは(国としても導入のための補助をする)仕組みはあるんですよICT補助金使えるって。3/4出るって。でも使うこと自体が敷居高いから。はい。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

ばら撒きじゃないですけど2年間は無料にするか、その分担保する補助金を出すとかすればちょっと違ってたかもしれないですよね。

小濱先生
小濱先生

そうね、だからマイナンバーだって最初は確定申告に使う時のカードリーダーの分は補助してたんですよね。

税金を戻すって相殺するって形で。あれと同じようにすればよかったものを。さらにLIFEは無料なんですよね。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

フフフフ…(苦笑)

小濱先生
小濱先生

なんで居宅サービスだけ21,000円取るのって?

6.心を折る開始時期、そして介護業界の流行語?「トリプル」

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

ま、居宅にはCSV取り込んでので実績に反映するのですごくメリットがあるんですけども、サービス事業所側としてはやはり紙が少なくなるよってメリットはあるんですが、居宅よりメリットがないので逆にそれにお金を出すかと言ったら、居宅よりもサービス事業者側の方がちょっと難しいじゃないかなと思っています。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

ま、2つ理由があると思うんですけど、その予定を取り込んだ後にそれをまた次に二次活用できるような記録ソフトと連携するから予定入力しやすくなる、そういう活用はあると思うんですけども、居宅とサービス事業所のサービス提供時間の実態がズレているとか本当あるあるなんですけど、その辺本当は整えなきゃいけないんだけど、その辺に注目があったりしてくるかなと思ったりしてますけど。

小濱先生
小濱先生

だから20日にスタートしますけど、実際に稼働するのは5月10日までですよね。それでどこまで【余計な手間が増えないか】というのがポイントだと。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

それなんですよ、5月の連休舐めるなよ。

全員
全員

ハハハ笑

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

という話をしてまして。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

そうそうそうそう。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

なんでサービスインをこの時期にやったかと。これ、完全にベンダー任せというか泣かせですよね。

小濱先生
小濱先生

いや、泣いてますよ?多分、ケア樹さんも泣いてます。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

ガンガン、バンバン、ヘルプデスクに電話があるという状態と。今回またカレンダーが良くないんですよ。1日、2日、次が8日ですよ?本当に何でこんな時期にやったのかと。どんなサービスでも最近3か月のトライアル期間は有りますよと。無料にすればよかったのにね。申し込みって実は始まったんですか?

小濱先生
小濱先生

4月1日〜13日がワンクールで今は中断していてまた20日から申込ができます。

山本氏
山本氏
(タダカヨ)

実際本稼働して、皆さんがCSVでやり取りするって言ってて、1日2日の後、3日4日5日って休みじゃないですか。トラブルでCSVってどうやるんだって。

小濱先生
小濱先生

はい、はい、はい。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

8、9、10の3日間できっとやることになるんでしょうね…。

小濱先生
小濱先生

無理ですよ。だってLIFEもありますから。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

サービス事業所はそうですよね。

小濱先生
小濱先生

ええ。4月分が多いのでLIFEは。4月分は5月10日がリミットですから。それと通常の請求でしょ?で、連携システム。トリプルですよ。

次田氏
次田氏
(タダカヨ)

いやー…、トリプルって今年流行るんじゃないですかね。なんかトリプル改定って言葉もありますし。なるほどですね。

小濱先生
小濱先生

ほんと、そう。

対談参加者プロフィール

小濱 道博 氏

小濱介護経営事務所 代表
C-SR 一般社団法人介護経営研究会 専務理事
C-MAS 介護事業経営研究会 顧問


昭和33年8月 札幌市生まれ。
北海学園大学卒業後、札幌市内の会計事務所に17年勤務。2000年に退職後、介護事業コンサルティングを手がけ、全国での介護事業経営セミナーの開催実績は、北海道から沖縄まで平成29年 は297件。延 30000 人以上の介護業者を動員。
全国各地の自治体の介護保険課、各協会、介護労働安定センター、 社会福祉協議会主催等での講師実績も多数。「日経ヘルスケア」「Vision と戦略」にて好評連載中。「シルバー産業新聞」「介護ビジョン」ほか介護経営専門誌などへの寄稿多数。ソリマチ「会計王・介護事業所スタイル」の監修を担当。

小濱先生の写真

山本 英也 氏

NPO法人タダカヨ 理事
主任介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士


居宅介護支援事業所の管理者。
上の3M(ムリ、ムダ、ムラ)を解消させるために日々無料で使える介護ITツールを活用、研究している。特に介護ICTと科学的介護に興味がありSNSやブログにて情報を発信中。
居宅介護支援事業所で10年以上、特別養護老人ホーム5年勤務。
Twitter https://twitter.com/kaigolct ブログ https://kaigoict.com/

山本さんの写真

次田 芳尚 氏

NPO法人タダカヨ 理事
テレワーク型居宅介護支援事業所 共同経営者


在宅介護支援センター、介護老人保健施設、指定介護老人保健施設、ケアハウス、グループ広報企画室を経て独立、在宅療養支援診療所の立ち上げから運営、多くの小規模多機能居宅介護やサービス付き高齢者住宅等の立ち上げから運営のサポートを生産性向上・職員メンバーの心理的安全性を担保を軸に行ってきた。一方では、介護ベンダーの顧問的立場で、新しいシステムの企画から要件定義、センサーやナースコール、業務支援ツールなどとの連携の企画・アライアンスを行う。
2021年より「ケアマネジャーの働き方改革」「テレマネ」をテーマに、札幌市で居宅介護支援事業所を運営している。任意団体カイゴと働くを考える会に所属して企業向けの介護離職防止活動の支援を行っている。自身の経験からISO9001の組織作りとICT活用の促進した生産性向上サポートが得意。

次田さんの写真